『イカゲーム』のサントラ・挿入歌の紹介(Way Back then、Pink Soldiers など)【韓ドラOST】

韓国ドラマ『イカゲーム』は、2021年にNetflixで配信されたサバイバルスリラーで、監督・脚本はファン・ドンヒョクが手掛けています。世界配信で高い視聴率を獲得し、2024年にはシーズン２が、2025年にはシーズン３が制作されています。

シーズン１の主要キャストはイ・ジョンジェ、パク・ヘス、チョン・ホヨン、イ・ユミ、オ・ヨンス、 ウィ・ハジュン、ホ・ソンテなど。特にチョン・ホヨンは本作が女優デビュー作となり、その後注目を集めました。また登場シーンは少ないですが重要な役割でイ・ビョンホン、コン・ユも出演しています。

シーズン２のキャストはシーズン１に引き続きイ・ジョンジェ、ウィ・ハジュン、イ・ビョンホン、コン・ユが続投し、新たにイ・ソファン、イム・シワン、チョ・ユリ、チェ・スンヒョン、パク・ソンフン、イ・ジヌク、カン・ハヌル、イ・デヴィッドらが加わっています。

「イカゲーム」の音楽は、シリーズの雰囲気やテーマを強調する重要な要素です。音楽は、視聴者に緊張感や恐怖感を与えるために巧妙に使用されています。

音楽は作曲家のチョン・ジェイル（Jung Jae-il）によって作られ、彼のテレビデビュー作となりました。彼はオーケストラやジャズ、シンセロックなど多様なスタイルを取り入れ、シーンのムードに合わせた楽曲を制作しました。シーンの前面に出るのではなく、背景として機能しつつ、異なる感情を引き出す役割を果たしています。

では、以下に代表的な楽曲を紹介していきましょう。

『イカゲーム』オリジナルサウンドトラックの曲目

Way Back then

Jung Jae-ilによる「Way Back then」。タイトルは”昔々”という意味。リコーダーやカスタネットといっ​​た子供向けの楽器を用いて”子どもの不器用な演奏”をイメージした不穏な曲にしています。韓国の運動会などで応援によく使われる３・３・７拍子のリズムも導入し、ノスタルジー感も加味。すべてが計算された楽曲です。

Pink Soldiers

「Pink Soldiers」は劇中でたびたび効果音的に使われている曲。アカペラ部分は明確な歌詞・言葉として意味があるわけではなく、ノンレキシカル・ヴォカリーズ（言語を持たない声の楽器的表現） になっています。タイトルはピンクガードそのものを指していますが、心理学的にはピンクは攻撃性を抑える効果があるとされ、暴力的な犯罪者を収容する施設で使用されることがあります。

Unfolded… 

「Unfolded…」は”展開”の意。エンディングテーマとして用いられることでエピソードの余韻を持たせつつ、「先に起こる出来事」への伏線のような役割を果たします。「これから何かが展開するのか」という不安と期待を抱かせてくれるメロディーです 。

Needles and Dalgona

Needlesは”針”、Dalgona＝タルゴナ（달고나）は、砂糖にベーキングソーダを入れて棒でかき混ぜて作るキャンディーで、劇中にも登場する韓国版”型抜き”そのものを指す場合もあります。この曲は多様な楽器を使用し、感情を引き出すようなメロディーを構成しています。特に弦楽器やピアノを用いた繊細なアレンジが、曲全体に深みを与えています。

Round VI

「Round ６」という特定のシーンで使用された曲。映像と音楽が相互に作用することで、物語の緊張感を一層引き立てていました。Jung Jae-ilは音楽が映像のストーリーを補完する重要な要素であることを十分に理解しており、映像への没入感を高める効果的な音楽を計算によって作り出しました。

Dawn

Dawn（夜明け）というタイトルのこの曲は、本作品の曲の中では珍しく”希望や再生”のテーマを強調しています。比較的明るめのメロディーなので、新たな始まりや可能性を感じさせてくれます。曲が進むにつれて徐々に盛り上がりが感じられ、特にクライマックスでは力強いオーケストレーションにより深い印象を残してくれます。

Let’s Go Out Tonight

「Let’s Go Out Tonight」はタイトルの””の通り、外出や冒険を促すような明るい雰囲気を持つ曲です。ギターやパーカッションが使用されており、現代的なサウンドと韓国の伝統的な要素が融合しています。

Round and Round (Mingle Song)

「Round and Round (Mingle Song)」はシーズン2の「Mingle」ゲームで使用される楽曲です。この曲は韓国の伝統的な子供の歌「둥글게 둥글게（Round and Round）」を基にしており、明るくリズミカルなメロディーが耳に残ります。命がかかった恐怖のゲームとの対比が状況の異常さを引き立てます。

ちなみに歌詞は”くるくる回りながら踊りましょう 手をたたいて歌いながら ララララ 楽しく踊ろう リンガリンガ リンガ リンガ リンガ”という内容になります。

Vote I

「Vote I」は緊張感を高める繊細なメロディーとリズムが特徴の楽曲。ゲーム参加者が直面する緊迫した状況を見事に表現しています。韓国社会の複雑な状況や人間関係を反映している、という解釈もあります。

Let’s Go Out!

Let’s Go Out!（出かけよう）というタイトルのこの楽曲は、ロックのようなビートと心地よい重低音リズムが効いた躍動感あふれる曲です。本ドラマの主題曲ともいうべき「Way Back then」のフレーズも取り込み、余韻の残る秀逸な作品に仕上げています。

Counter Strike

”反撃”を意味する「Counter Strike」は、ストリングスやパーカッションとダイナミックなオーケストラを組み合わせた迫力満点の楽曲。映像とともに味わうことでこの上ない感情的な高まりを感じることができる名曲です。

We’re Together

「We’re Together」（私たちは共に）は温かさや連帯感、希望などを感じさせるような心地よいリズムの曲。クラシックとロック、現代音楽の融合とも評されており、とても印象に残るエネルギッシュな作品です。

O X I

「O X I」はエピソード6「O X」ゲームの最中に流れる印象的な曲。重厚なパーカッションのビートが響き、緊張感を煽ります。

Joo Won – Fly Me to the Moon

Joo Won が歌う「Fly Me to the Moon」。誰もが聞き慣れたフランク・シナトラの名曲を、プレイヤーたちの命がかかった状況下で流すことで、曲の美しい歌詞やメロディと残酷な映像とのコントラストを狙った監督の思惑は大成功と言えます。

Fly Me To The Moon – Squid Game 2 Version

シーズン１で効果的に使われた「Fly Me To The Moon」を、シーズン２の同じゲームの場面に今度は別アレンジで流しています。

Pink Soldiers Redux

シーズン1で使用された「Pink Soldiers」を シーズン2向けにアレンジし直した楽曲です。

Jung bae ya!

「Jung bae ya!」はギフンの友人であるパク・チョンベのこと。最終エピソードで流れるこの曲はドラマチックなシーンにベストマッチしており、そのシーンとともに印象に強く残ります。

A Five People Game

Jung Jae-ilの多才さと類まれな発想力を改めて感じさせる「A Five People Game」。子供の楽器や伝統的な楽器と現代的な音色を組み合わせ、予測できないメロディーや唐突な音の変化を加えることで、不安感を呼び起こすことに成功しています。

Shin Hae-chul – To You

「To You」は、1988年に発表されたShin Hae-chulのデビュー曲。韓国で非常に人気のある曲です。この曲は希望や励ましのメッセージを持ち、特に学校のイベントやスポーツの応援歌として広く知られています。シーズン2ではギフンのチームが「ペンタスロン」に挑戦する際に流れ、観客にとって親しみやすい雰囲気を醸し出します。

O X Ⅱ

O X Iの別バージョン。

Mingle Game Song “Round and Round” (Medieval Cover / Bardcore)

「Round and Round (Mingle Song)」の 中世風のカバーバージョン。

『イカゲーム』予告編

『イカゲーム』シーズン１の予告動画です。

『イカゲーム』シーズン２の予告動画はこちら。

『イカゲーム』シーズン３の予告動画はこちら。

こちらは「コン・ユによるゲームへの招待」バージョン。

まとめ

以上、人気の韓ドラ『イカゲーム』のサントラの紹介でした。

音楽がいいとドラマの楽しさが２倍にも３倍にもなります。この作品のOSTはあなたの心にどれくらい残りましたか？