「クリミナルマインド シーズン14」は全15エピソード。これまで常に20話以上あったエピソード数がシリーズで初めて短くなりました。
シーズン11から12にかけて行われたデレク・モーガン役のシェマー・ムーア、アーロン・ホッチナー役のトーマス・ギブソンの連続退場の影響もあり、シーズン13の視聴者数はピーク時の半分ほどに。
そのせいもあってかシーズン14はエピソード数も少なめ。ちなみにシーズン15はさらに少なくなって10エピソード。
もくじ
- 1 クリミナルマインド シーズン14/全エピソード
- 1.1 エピソード1「奪われた舌骨」(300)
- 1.2 エピソード2「ミイラ屋敷」(Starter Home)
- 1.3 エピソード3「死体配達人」(Rule 34)
- 1.4 エピソード4「無垢なるもの」(Innocence)
- 1.5 エピソード5「背の高い男」(The Tall Man)
- 1.6 エピソード6「ルーク」(Luke)
- 1.7 エピソード7「27分」(Twenty Seven)
- 1.8 エピソード8「理想の家族」(Ashley)
- 1.9 エピソード9「折れた翼」(Broken Wing )
- 1.10 エピソード10「肉と血」(Flesh and Blood)
- 1.11 エピソード11「闇に潜むハンター」(Night Lights)
- 1.12 エピソード12「ハーメルンの笛吹き男」(Hamelin)
- 1.13 エピソード13「カメレオン」(Chameleon)
- 1.14 エピソード14「悪霊の棲む家」(Sick and Evil)
- 1.15 エピソード15「究極の選択」(Truth or Dare)
- 2 シーズン14の感想
クリミナルマインド シーズン14/全エピソード
エピソード1「奪われた舌骨」(300)
カルトのリーダー、ベンジャミン・デイビッド・マーバ (マイケル・ホーガン) とその信者たちは、リードとガルシアを人質に取った。BAU は自分たちの過去の捜査活動の中に手がかりを求め、 2 人がカルト教団による大量殺人の標的になった理由を探る。
調査の末、メドウズ捜査官はカルトの信者で、カルトのリーダーだったベンジャミン・サイラスの妻の一人だったことが判明。メドウズの目的はカルトが没落したことに対する BAU への復讐だった。
リードは信者たちの気をそらしてガルシアが逃げられるようにし、ガルシアはリードに口頭で教えられたルートの記憶だけを頼りにクワンティコへ帰り着く。リードはカルトが 300 番目の舌骨を手に入れるための生贄として別の州に連れて行かれるが、BAUによる救出を待ってできる限り時間を稼ごうと奮闘する。
※原題の「300」には『クリミナルマインド』シリーズの300作目という意味を重ねている。
※カルト教団はシーズン4のエピソード3「ミニマル・ロス」に登場したもの。
※舌骨は人体の骨の中で唯一、他の骨との関節がない(つながっていない)骨。舌と喉頭を繋ぐ役割を持つ。
エピソード2「ミイラ屋敷」(Starter Home)
サウスカロライナの人里離れた場所にある老夫婦の家の壁や床下から、7体ものミイラ化した遺体が発見される。ロッシ、JJ、シモンズが現地に派遣され、20年以上も前に遡る手がかりの跡を追う。
この家にかつて住んでいた老夫婦は若い娘を誘拐してきては殺害していた模様。しかし殺害手口の異なる最近の遺体も発見されたため、BAUは老夫婦以外の模倣犯がいると考え、さらに捜査を進める。
一方、元妻のクリスタルと再び付き合うようになったロッシは、彼女の娘の新しい彼氏の品定めをすることに・・・。
エピソード3「死体配達人」(Rule 34)
ワシントン DC 地域の 6 人の人物に、おぞましい内容の小包が届けられる。BAU は犯人を特定する前に、まず受取人同士のつながりを解明しようとする。捜査の末、犯人はインターネットで活動する女王様に夢中で、彼女の元夫を狙っていることが判明する。
一方、マット・シモンズとクリスティは友達を殴って学校を停学になった長男のデイビッドと話し合おうとするが・・・。
※サイトの管理人ガリーナが言う”ルール34”とは「存在するもの全てにポルノが生じる。例外はない」というネット上の規則の一つ。伝達・複製を経てつくられたインターネット・ミームで、明確に誰かが提唱したわけではないが浸透している。
エピソード4「無垢なるもの」(Innocence)
BAU はフロリダ州タラハシーの森の中で主婦が殺害され、儀式的で特異な事件であったためBAUが派遣される。主要容疑者を地元警察が隔離したが、その後すぐに最初の被害者の姉が同様の状態で殺害される。
BAUは事件当夜に外出中だった夫や地元教会の不審な神父を疑いつつ捜査を進めるが、やがて意外な人物が真犯人として浮かび上がる。
一方プレンティスは、誘拐・拉致を経験したガルシアの後遺症を心配する。またガルシアは過去に彼女の両親を死に至らしめた加害者の仮出所に同意した件で義弟とも仲たがいしていた・・・。
※石を投げつけて殺害する手口はヨハネの福音書:第8章第7節の「罪を犯したことのない者に最初の石を投げさせなさい」を想起させる。また、『姦淫した者は滅ぼされる』という神父の自戒的な説教が犯行に至る引き金となっている。
エピソード5「背の高い男」(The Tall Man)
イースト アレゲニーのデッド マンズ コンサバトリーの森に深夜3名の少女が入り、1人が血まみれで生還したが 2 人は行方不明となる。地元の不気味な幽霊話「トール マン」に襲われたという少女の証言を受け、BAUが調査を進める。
事件の解決に協力するためJJ はしぶしぶ故郷である現地に入るが、11 歳の時に自分の姉の自殺現場を発見するというショッキングな過去がフラッシュバックする。
※トールマンはアメリカの都市伝説”スレンダーマン”にヒントを得てつくられたと思われる架空の怪人。2014年にはスレンダーマンから影響を受けたという12歳の2人の少女が友人を森の中におびき寄せて包丁で19回刺した「スレンダーマン刺傷事件」が起きている。
※マシュー・グレイ・ギュブラーが監督。
エピソード6「ルーク」(Luke)
BAU はメリーランド州ベセスダに向かい、東海岸沿いで 3 日間に起きた 4 件の殺人事件を捜査する。アルベスは 5 年前に DEA やメキシコ警察と協力して逮捕した、メキシコで最も悪名高い殺し屋ラモスの手口と同じであることに気付く。
アルベスにとって因縁のある事件で、ラモスは3年服役したのち脱獄していた。しかし調査を進めていくうちにラモスは2~3週間前にすでに殺されていたことがわかり、BAUは事件の関係者による犯行であると推測する。
なお、この事件を機にお互いへの理解を深めあったアルベスと恋人は一緒に暮らすことを決意する。
※ジョー・マンテーニャが監督。
エピソード7「27分」(Twenty Seven)
BAU は首都で 27 分ごとに発生する一連の攻撃の背後にいる自警団員を捕まえようと全力を尽くす。プレンティスとアンドリュー・メンドーサ主任は犯人がこだわっている27分という時間が通報から救急車が到着するまでの時間であると推測し、容疑者の身元とその動機を特定するために奔走する。
この事件でエミリーはメンドーサの命を救い、二人は後日デートする約束をする。
※救急車到着までの平均時間は日本では10分強、アメリカは平均8分。ただしどの国でも地域差はある。
エピソード8「理想の家族」(Ashley)
BAU はニューハンプシャー州のプリマスで起きた連続夫婦射殺事件と少女誘拐事件を捜査する。一見して共通点のないように見えたが、どちらの家庭でも連れ去られた少女が養女であったことが判明。
いずれの養父母にも問題があったため、BAUは犯人の目的が養女を悪い養父母から救い出すことであると推測。かつて養子に出したわが子が養父母先で病死した経験を持つ人物を容疑者として割り出す。
一方、ロッシがクリスタルとの関係を深めるプロポーズ作戦は計画倒れに終わりそうに見えたが・・・。
※アダム・ロドリゲスが監督。
※劇中に登場するオッドアイ(虹彩異色症)は左右の目の虹彩の色が異なる症例で、先天性のものが多い。白人に多い傾向があり、日本人の場合、出現率は0.0001%ともいわれる。オッドアイを持つ有名人はデヴィッド・ボウイ、キーファー・サザーランド、イライジャ・ウッド、ベネディクト・カンバーバッチなど多数おり、日本の場合は奥菜恵が有名。
エピソード9「折れた翼」(Broken Wing )
タラ・ルイスの元夫であるダリル・ライトが、依存症のリハビリを終えたばかりの患者が次々と薬物の過剰摂取によって死亡する事件が多発しており、連続殺人事件の疑いがあることをBAUに訴える。かつて麻薬中毒と抑えきれない怒りで結婚生活を台無しにしたライトの話の信憑性を疑うルイスだったが、FBI捜査官として事件性を感じBAUに捜査を依頼。
調査を進めていくうちに、かつてルイスが苦しんだように中毒患者を献身的に支えつつも裏切られる経験を繰り返し、いつしか救済的な目的で犯行に及ぶようになった容疑者が捜査線上に浮かび上がってくる・・・。
※米国ではオピオイドと呼ばれる麻薬性鎮痛薬の中毒患者や、過剰摂取による死亡者数の増加が深刻な社会問題となっており、2023年にバイデン政権はオピオイド対策として15億ドルの資金拠出を表明している。
エピソード10「肉と血」(Flesh and Blood)
二人の男性が全身の骨を砕かれ心臓を抜き取られるという凄惨な殺人事件がメリーランド州で起きる。BAUが派遣されたが、ほどなく会社経営者が第3の犠牲者となる。被害者たちはそれぞれに女性から声を掛けられて拉致されていたことがわかったが、BAUの捜査により過去に起きた研修生の女性の死亡事故で、警察の見解と異なり他殺であることを信じる遺族が事件に絡んでいることが明らかになる。
また、プレンティスは自分の壮絶な過去と向き合いつつも、メンドーサと新たな恋を進める決心を固める。
※本エピソードに登場する青年はシーズン3エピソード2の「In Name And Blood」で犯人だった男性の、当時8歳だった息子。
エピソード11「闇に潜むハンター」(Night Lights)
オレゴン州ポートランドで玄関のカメラ越しに助けを求める男性がそのまま拉致されていくという事件が目撃される。映像から男性が両目を焼かれているのがわかり、BAUは1週間前に夫婦が自宅で殺害された事件との共通性に気付く。
殺害された夫婦の夫は過去に暴露療法という治療行為を行っていた医師で、捜査上に浮かび上がった容疑者は彼の元患者だった。
※暴露療法(エクスポージャー)とは不安症やPTSD・強迫症などの治療に用いられる行動療法。不安の原因となる刺激を意図的・段階的に与え、慣れさせることで不安を解消させる。
エピソード12「ハーメルンの笛吹き男」(Hamelin)
プレンティスとチームは、真夜中に自宅から誘拐されたと思われる3人の10歳の子供たちの失踪事件を調査するためにアイオワ州へ飛ぶ。近所の公園の監視カメラの映像から、子供たちが何者かに後催眠を掛けられて自分で公園まで来て車に乗り込んだことが判明する。
BAUの捜査上に浮かび上がった容疑者はASMR動画のサブリミナル効果を悪用して子供たちを誘い出していると思われる、ガルシア並みに高いスキルを持つ男だった。
※サブリミナル効果は映像や音声に通常では判別できないような情報データを埋め込むことにより、視聴者の潜在意識にメッセージを送り込む技術。一定の条件下では効果があると言われている。
※ASMR(Autonomous Sensory Meridian Responseの略。”自律感覚絶頂反応”と訳されることもある)は聴覚による刺激(音)によって心地よい興奮や安らぎ、ゾクゾク感、うっとり感などが生じる現象。雨音や川のせせらぎ音などの単調な音、木を削る音、イケボ声優のささやき声などその種類は多種多様。
エピソード13「カメレオン」(Chameleon)
テネシー州で女性が殺害され、家が全焼した事件。遺体は顔の皮膚をはがされており、被害者の息子に聴取したところ、母親が出会い系サイトで知り合って2カ月でプロポーズされたマックという男が犯人だという。しかもプロポーズされたのは火事の前日。
調査を進めていくと5か月前にも同様の事件があり、しかもその犯人がマックと同一人物である可能性が浮上。マックは何人もの人間を演じ分け
BAU を出し抜き、ロッシを負傷させて逃走した連続殺人犯エベレット・リンチ。ロッシは1対1の格闘で負けて気絶し、しかも殺せたはずなのになぜかエベレットがとどめを刺さなかったということにショックを受け、完全に自信を喪失。そんな彼を慰め励ましたのは、3週間後に再び妻となる予定のクリスタルだった・・・。
※A・J・クックが監督。
エピソード14「悪霊の棲む家」(Sick and Evil)
BAU はメイン州ルイストンで、幽霊屋敷と噂される物件で女性が殺害される事件が連続して起こる。被害者は頭を鈍器で殴られたのち、腹部を22回刺されている。BAUは連続殺人事件として捜査を開始する。
現場で怪しい女性ブロガーが逮捕されるが真犯人ではないことがわかり、BAUは彼女が懇意にしている地元大学の宗教学の女性教授に容疑の目を向ける。
※ルイストンはスティーヴン・キングのテレビドラマ「キングダム・ホスピタル」の舞台として知られている。
エピソード15「究極の選択」(Truth or Dare)
ロッシがクリスタルとの結婚を準備し、結婚の鐘が鳴り響く。しかしBAU チームはロサンゼルスへ向かい、自動車事故に続いて白昼に起きた一連の銃撃事件を調査する。
JJとリードは容疑者に拘束されて人質となり、”Truth or Dare”ゲームで自分の秘密を話すように脅されたJJはリードにあることを告白する。
※「Truth or Dare(真実か挑戦か)」は大人向けの人気パーティーゲーム。交互に「真実を言うか、挑戦を受けるか」を選択し、”真実”を選んだら相手からの質問に正直に答え、”挑戦”を選んだら相手から出される命令や指示に従わなくてはならない。
シーズン14の感想
シーズン14はロッシの再婚やJJのまさかの告白など、メンバーのプライベートや過去にフォーカスを当てたエピソードが山盛りでした。
シーズン14は打ち切りもささやかれていたシーズンでしたが、15エピソードの短い話数の最後に爆弾を落としてクリフハンガーで終わらせたのは制作側の意地だったのかもしれません。
個人的にはJJの告白は必要のない要素だったような気がします。姉妹のような関係のままでいても何ら問題はなかったと思いますが・・・。JJを演じているA・J・クックもインタビューで聞かれたときに「such a strange thing」(奇妙な展開)と言ったとか。
人気ランキングトップのJJとDr.リードの恋の行方を見届けたくてシーズン15を待ち望むファンが増えるのだけは確かなので、制作側の狙いどおりにはなったとお