動画編集を手がけるようになると誰もがぶつかるのがデータ容量の問題。デジタルビデオカメラのメモリーに残しておけるデータ容量には制限があるので、どうしても外部の記憶媒体にコピーしておく必要がありますね。
「とりあえずDVDに焼いておけば、元のデータなんか必要ないんじゃない?」
という人もいるかもしれませんが、ちょっと待ってください。将来的にそれはどうなんでしょうか。元の状態で残しておくべきだった!と悔やむ結果になるかもしれません。
高画質で小容量のファイル形式はないの?
今回はどのような形式でどのように保存しておけば安心なのかについて考えてみたいと思います。のちのち後悔しなくて済む方法が一番ですよね。
残すならできるだけ高画質で
一般的なHDデジタルビデオカメラの元データはMTS形式のものがほとんどです。拡張子が.mtsのファイルを外部記憶媒体に保存した場合、1秒の動画で2MBほどになり、10分間で1GBを超えます。
PCで動画編集をするようになると、大容量の外付けUSBドライブでも買わないととても保存し切れません。
それでも生データはできるだけ残しておくに限ります。その理由は言うまでもなく、画質の差です。
家庭のTVで見るのだからDVDで残しておけば十分、という人もいるでしょう。スマートフォンのような小さな画面で見る分にはあまり違いが感じられないのも事実です。
でも将来的には4Kや8KのTVが当たり前になり、それに伴ってブルーレイディスクかそれ以上の記憶メディアが標準になるのは目に見えていますから、ここはやはりBD画質で残しておきたいものです。
DVDとブルーレイの画質の差
改めて比較するまでもないと思う人もいるかもしれませんが、DVD画質とブルーレイ画質ではどれだけの差があるか再認識しておきたいと思います。
無料の動画編集ソフトを使ってMTSデータをDVD画質とブルーレイ画質の2種類で焼き、PC画面で再生した画像のキャプチャーの比較です。
まずはブルーレイ画質から。
これと下のDVD画質を比較してみてください。
DVDの画像のほうはぼんやりして精細さを欠いているのが一目瞭然ですね。実際にはこれだけの差があるのに、DVD画像ばかり見ていると慣れてしまったりするものです。
でも差は大きいですね。さらに大画面で拡大すればもっと差が出ます。
ブルーレイ画質はこちら。↓
DVD画質はこちら。↓
DVD画質に慣れてしまうと鈍くなりがちですが、せっかくHDデジタルの画質で撮影しているのですから、画質を劣化させるのはもったいないというものです。
ディスクに焼く&ISO保存で
もしどうしてもデータ保存容量が確保できないという場合は、せめてブルーレイディスク用に作成したデータをISO形式で保存しておきましょう。
有料アプリでも無料アプリでも、ブルーレイディスクに焼く際にISO形式のイメージファイルを作成できるものがあります。
ISOファイルにしておけば「ImgBurn」などのフリーソフトを使っていつでもディスクに焼くこともできるし、ISOファイルをそのままドラッグ&ドロップして再生できる「GOM Player」のようなPCソフトもあります。
家庭用のブルーレイディスクだけでの保存は心もとないので、可能な限りバックアップとしてのブルーレイISOを残しておくことをおすすめします。ディスクは傷がついてしまうと再生できなくなってしまいますから。
再生環境があるならMP4も選択肢の一つ
画質という点で最良の保存方法は生のMTSデータが一番で、同じMTS形式を採用したブルーレイディスクやブルーレイISOがそれに続きます。でもYouTube動画などで採用されているMP4形式での保存も、最小限の劣化で小容量化できるため、おすすめです。
ちなみにMP4画質はこちらになります。
MP4形式の場合、PCやスマートフォンで見るのには問題ありませんが、TVで見る場合はPC画面をHDMIケーブルでつないで表示させるか、あるいは再生専用機器が必要になります。
こうした再生環境を準備できるのであれば、画質的にも劣化の少ないMP4形式は選択肢の1つです。
再生専用機器はマルチメディアプレーヤーとも呼ばれ、安価で市販されています。接続も簡単ですので1台持っておくのもいいと思います。自宅以外の環境で再生するのにも便利です。
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ISOに対応している場合はDVDISOやBDISOをそのまま再生できますが、安価な製品の場合は過度の期待は禁物です。MP4再生をメインに利用する分には問題ありません。
外付けUSBディスクも安価に買える
一頃と比べると大容量のハードディスクも安くなりましたから、現在では3TBと超えるようなUSB接続の外付けハードディスクも「マジですか!?」みたいな価格で売られています。
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いくつあっても足りないという人もいるかもしれませんが、動画保存のための大容量ディスクの導入は動画編集をする際には避けて通れない道です。
また、万が一のディスククラッシュに備えて、万全な保存を考えるのならば、2つのディスクにダブルで保存できるミラーリングRAIDに対応した外付けハードディスクを購入しましょう。
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まとめ
DVD画質とブルーレイ画質では差がありすぎることを改めて確認するところから始めて、保存方法について考えてみました。いかがでしたか?
やはり保存するならそれなりの画質を維持したまま保存したいものです。近いうちに4K・8Kの大画面TVが激安で買えるようになるかもしれません。その場合、画質が悪いとせっかくの思い出映像が残念なことになってしまいます。
できるだけ高画質で保存できる環境を整えて、撮り直しのできない大切な動画を安全に保存することを心がけたいものです。後悔先に立たず、ですから。