韓国ドラマに限ったことではないのですが、ドラマの最終回が「ここから先の二人の恋の展開は・・・・それはまた別の機会に・・・・」とか、「この続きはセカンドシーズンで。制作されるかどうかはわかりませんが・・・」的な終わり方をすることがあります。最悪の場合”打ち切り?”とか”意味不明・・・”というマイナス評価を受けてしまうことも・・・。
こうした想像の余地を残した終わり方を「オープンエンディング」と呼ぶそうです。本記事では韓国ドラマにおける「オープンエンディング」について解説します。
もくじ
オープンエンディングとは?
オープンエンディングとは、物語の結末を明確に示さず、視聴者に解釈を委ねる形で終わる手法を指します。この形式は、視聴者に余韻を残し、物語のその後を想像させることで、議論や考察を促す効果があります。韓国ドラマでは、特に近年、この手法が増加しており、SNSやオンラインコミュニティで話題を集めることが多いです。
韓国ドラマにおけるオープンエンディングの傾向
韓国ドラマは、従来の「ハッピーエンド」や「悲劇的な結末」に加え、オープンエンディングを採用する作品が増えています。この傾向は以下の理由によるものと考えられます:
- 視聴者の解釈を尊重し、物語の余韻を楽しませる。
- 続編やスピンオフの可能性を残すための伏線として活用。
- 結末を曖昧にすることで、物語のテーマやメッセージを強調する。
オープンエンディングは視聴者それぞれの価値観や経験に基づいて、多様な解釈を可能にします。また、シーズン間の繋ぎとして、オープンエンディングは効果的な手法となります。
オープンエンディングが好評だったドラマ作品
以下は、オープンエンディングが良い意味で話題となった韓国ドラマの例です:
1. 『Goblin(トッケビ)』
このドラマは、主人公が悲劇的な運命を迎えながらも、最後に再会の可能性を示唆する形で終わります。視聴者の間では「ハッピーエンドなのか、悲しい結末なのか」という議論はあったものの、おおむねは”ラブファンタジーにふさわしいさわやかなオープンエンディング”という評価を得ました。
2. 『Hotel del Luna(ホテル デルーナ)』
主人公たちの物語が終わりを迎えた後、次の展開を暗示するシーンが挿入され、視聴者にその後の物語を想像させる余地を残しました。この手法は、ドラマの幻想的な雰囲気とも調和しています。
3. 『Twenty-Five Twenty-One(二十五、二十一)』
青春の切なさを描いたこのドラマは、主人公たちの関係が完全に解決されないまま終わります。視聴者は、彼らの未来を想像する形で物語を受け止めることになりました。
4. 『Crash Landing on You(愛の不時着)』
このドラマでは、主人公たちが物理的な距離を超えて愛を育む姿が描かれますが、完全な結末を示さず、視聴者に「その後」を想像させる形で終わります。
不評だったオープンエンディングの例
1. 『今、別れの途中です』
このドラマは、最終回でオープンエンディングを採用しましたが、視聴者からは「結末が曖昧すぎる」との批判が多く寄せられました。主人公たちの関係性や物語の結末が明確に描かれなかったため、物語全体の評価にも影響を与えたとされています。
2. 『半分の半分~声が繋げる愛~』
視聴率が低迷し、16話から12話に短縮されたこのドラマも、オープンエンディングが不評の一因となりました。物語の途中で打ち切りのような形になったため、視聴者はキャラクターの行く末や物語のテーマが十分に描かれなかったと感じたようです。
3. 『最高のエンディング』
タイトルに「エンディング」とあるものの、視聴者の期待を裏切る形で終わったとされる作品です。特に、続編を意識したような曖昧な結末が「物語としての完成度を欠いている」と批判されました。
4. 『支配種』
主人公のウ・チェウンとユン・ジャユの運命については明確に描かれず、しかも続編ありきの唐突なシーンで終了したために賛否を生む結果となりました。続編が制作されるかどうかは未定です。
オープンエンディングの評価
オープンエンディングは、視聴者の好みによって評価が分かれる傾向があります。
- 肯定的な意見:余韻を楽しめる、考察が深まる、物語のテーマが強調される。
- 否定的な意見:結末が曖昧で消化不良を感じる、物語が未完に思える。
その後の展開を自由に想像できるという点では自由度が高くて良いのですが、ともすれば”続編狙い”とか”尻すぼみ”とか”竜頭蛇尾(りゅうとうだび)”と揶揄されたりもするので安易にオープンにしてしまうのは危険です。
制作側の思惑に反して、単に”消化不良”、”モヤモヤする”、”不親切な設定”ととらえられてしまう場合もあります。
まとめ
韓国ドラマにおけるオープンエンディングは、視聴者の想像力を刺激し、物語の余韻を楽しませる手法として広く採用されています。一方で、結末の曖昧さが不満を生むこともあるため、作品のテーマやストーリー展開に応じて適切に活用されることが重要です。