百想芸術大賞(ペクサンげいじゅつたいしょう)は韓国のゴールデングローブ賞と呼ばれており、エンタメ界の権威あるアワードとして知られています。
映画・テレビ両方を扱った唯一の総合芸術賞。この賞に輝くことは韓国芸能界では大変名誉なことで、視聴者目線で見ても、「百想芸術大賞をもらった作品や芸能人・スタッフなら間違いない」という目安になります。
歴代の百想芸術大賞から受賞したドラマ作品について紹介していきます。
百想芸術大賞(ペクサンげいじゅつたいしょう)歴代受賞者・ドラマ作品一覧
百想芸術大賞には映画・演劇・テレビ番組の3部門があり、ドラマは大賞、作品賞、監督賞、最優秀演技賞が表彰され、映画ではそれ以外に新人演技賞が加わります。
2000年(第36回)以降のドラマ部門の受賞は次のようになっています。
回 年 |
大賞 | 作品賞 | 監督賞 |
最優秀演技賞(男) | |||
最優秀演技賞(女) | |||
36回 2000 |
クッキ 〜菊熙〜 | イ・スンニョル(クッキ 〜菊熙〜) | |
チャ・インピョ(ワンチョ) | |||
キム・ヨンエ(波) | |||
37回 2001 |
ウンサシナム | アジュンマ | チャン・ヒョンイル(トギ) |
キム・ヨンチョル(太祖王建) | |||
ウォン・ミギョン(アジュンマ) | |||
38回 2002 |
太祖王建 | ピアノ | ユン・ソクホ(冬のソナタ) |
ユ・ドングン(明成皇后) | |||
チョン・イナ(女人天下) | |||
39回 2003 |
オールイン運命の愛 | 勝手にしやがれ | キム・ジョンハク(大望) |
イ・ビョンホン(オールイン 運命の愛) | |||
キム・ヒエ(妻) | |||
40回 2004 |
キムヒエ(完全なる愛) | 花よりも美しく | イ・ビョンフン(宮廷女官チャングムの誓い) |
チョ・インソン(バリでの出来事) | |||
ハ・ジウォン(バリでの出来事) | |||
回 年 |
大賞 | 作品賞 | 監督賞 |
最優秀演技賞(男) | |||
最優秀演技賞(女) | |||
41回 2005 |
パリの恋人 | ごめん愛してる | イ・ソンジュ(不滅の李舜臣) |
ソ・ジソプ(ごめん、愛してる) | |||
キム・ジョンウン(パリの恋人) | |||
42回 2006 |
私の名前はキムサムスン | 名家の娘ソヒ | キム・ジョンチャン(バラ色の人生) |
キム・ジュヒョク(プラハの恋人) | |||
チェ・ジンシル(バラ色の人生) | |||
43回 2007 |
朱蒙 | ソウル1945 | アン・バンソク(白い巨塔) |
キム・ミョンミン(白い巨塔) | |||
ソン・イェジン(恋愛時代) | |||
44回 2008 |
カンホドン(ハッピーサンデー) | 銭の戦争 | イ・ビョンフン(イ・サン) |
パク・シニャン(銭の戦争) | |||
ユン・ウネ(コーヒープリンス1号店) | |||
45回 2009 |
キムヘジャ(母さんに角が生えた) | 母さんに角が生えた | シン・ウチョル(オンエアー) |
キム・ミョンミン(ベートーベン・ウィルス) | |||
ムン・グニョン(風の絵師) | |||
回 年 |
大賞 | 作品賞 | 監督賞 |
最優秀演技賞(男) | |||
最優秀演技賞(女) | |||
46回 2010 |
コヒョンジョン(善徳女王) | 該当なし | ユ・ヒョンギ(ドラゴン桜〈韓国版〉) |
該当なし | |||
キム・ナムジュ(僕の妻はスーパーウーマン) | |||
47回 2011 |
ヒョンビン(シークレットガーデン) | シークレットガーデン | イ・ジョンソプ(製パン王 キム・タック) |
チョン・ボソク(ジャイアント) | |||
ハン・ヒョジュ(トンイ) | |||
48回 2012 |
根の深い木 | 太陽を抱く月 | キム・ジョンミン、パク・ヒョンソク(王女の男) |
キム・スヒョン(太陽を抱く月) | |||
コン・ヒョジン(最高の愛 〜恋はドゥグンドゥグン〜) | |||
49回 2013 |
ユジェソク | 追跡者 チェイサー | キム・ギュテ(その冬、風が吹く) |
ソン・ヒョンジュ(追跡者 チェイサー) | |||
キム・ヒエ(妻の資格) | |||
50回 2014 |
チョンジヒョン(星から来たあなた) | グッドドクター | アン・パンソク(密会) |
チョ・ジェヒョン(鄭道伝) | |||
イ・ボヨン(君の声が聞こえる) | |||
回 年 |
大賞 | 作品賞 | 監督賞 |
最優秀演技賞(男) | |||
最優秀演技賞(女) | |||
51回 2015 |
ナヨンソク(三食ごはん) | 風の便りに聞きましたけど!? | キム・ウォンソク(未生 ミセン) |
イ・ソンミン(未生 ミセン) | |||
ソン・ユナ(ママ〜最後の贈り物〜) | |||
52回 2016 |
太陽の末裔 | シグナル | シン・ウォノ(応答せよ1988) |
ユ・アイン(六龍が飛ぶ) | |||
キム・ヘス(シグナル) | |||
53回 2017 |
キムウンスク(トッケビ) | ディアマイフレンズ | ユ・インシク(浪漫ドクターキム・サブ) |
コン・ユ(トッケビ) | |||
ソ・ヒョンジン(また!?オ・ヘヨン) | |||
54回 2018 |
秘密の森 | Mother | キム・ユンチョル(品位のある彼女) |
チョ・スンウ(秘密の森) | |||
キム・ナムジュ(ミスティ) | |||
55回 2019 |
キムヘジャ(眩しくて) | マイディアミスター〜私のおじさん〜 | チョ・ヒョンタク(SKYキャッスル) |
イ・ビョンホン(ミスター・サンシャイン) | |||
ヨム・ジョンア(SKYキャッスル) | |||
回 年 |
大賞 | 作品賞 | 監督賞 |
最優秀演技賞(男) | |||
最優秀演技賞(女) | |||
56回 2020 |
椿の花咲く頃 | ストーブリーグ | モ・ワンイル(夫婦の世界) |
カン・ハヌル(椿の花咲く頃) | |||
キム・ヒエ(夫婦の世界) | |||
57回 2021 |
ユジェソク | 怪物 | キム・チョルギュ(悪の花) |
シン・ハギュン(怪物) | |||
キム・ソヨン(ペントハウス) |
大賞を受賞した作品は?
作品そのものが大賞を受賞した主なドラマには次のようなものがあります。
オールイン 運命の愛
済州島のカジノを舞台に、数奇な運命でつながる3人の男女の愛と友情のバイオレンス・ヒューマンストーリー。実在のギャンブラーを元にした小説をイ・ビョンホン、チソン、ソン・ヘギョの豪華共演で映像化。
パリの恋人
家政婦として働く女性と財閥の御曹司とのラブロマンス。第41回百想芸術大賞の大賞、女優最優秀演技賞、脚本賞を受賞したヒット作。
私の名前はキム・サムスン
失恋・失業したパティシエと傲慢な年下のイケメン御曹司との、身分・年齢・性格の違いを乗り越えたラブストーリー。最高視聴率50.5%、社会現象を巻き起こしのメガヒット作品。ヒョンビョン、キム・ソナのW主演。
朱蒙<チュモン>
高句麗初代の王とされる朱蒙(東明聖王)の半生を描く歴史ファンタジー。ソン・イルグク主演。
根の深い木
李氏朝鮮第4代国王の世宗と、王に仕える兼司僕の兵士がハングル創製のために奔走する歴史ミステリー大作。ソン・ハッキュとチャン・ソクが共演したほか、王の青年期をソン・ジュンギが演じています。
太陽の末裔 Love Under The Sun
ソン・ジュンギ&ソン・ヘギョが百想の人気賞にも輝いた、全アジア級のメガヒットで社会現象を巻き起こしたラブストーリー。チン・グとキム・ジウォンが演じる下士官と女性将校のサブロマンスも話題に。
秘密の森
グローバル女優のペ・ドゥナと演技派俳優チョ・スンウの共演による犯罪・法廷サスペンス。チョ・スンウが感情を持たない検事ファン・シモクを好演して大ヒット。2020年には続編となる『秘密の森2』が制作されました。
椿の花咲く頃
一人で子育てをするシングルマザーと実直な若い警察官とのぎこちないロマンスを軸に、サスペンスとコメディーの要素を取り入れた快作。ドラマ当たり年の2020年に『愛の不時着』『梨泰院クラス』をおさえて大賞に。
作品賞を受賞した作品は?
作品賞を受賞した主なドラマには次のようなものがあります。
勝手にしやがれ
ヤン・ドングン、イ・ナヨン、イ・ドンゴンが共演したヒット作品。スリを生業とするろくでなしの青年が生まれて初めての愛に出会うが、不治の病で余命宣告を受けたのをきっかけに自身の生き方を見直すヒューマンドラマ。
花よりも美しく
子ども思いの母親と3人の娘・息子たちの日常生活を通して真実の愛の形を語るファミリーストーリー。コ・ドゥシム、ぺ・ジョンオク、パク・サンミョン、ハン・ゴウンのほか、キム・ミョンミンも出演。
ごめん、愛してる
見た後はドラマが頭から離れなくなって何も手につかなくなると言われたほど熱烈に支持され、社会現象を巻き起こした名作。日本でも長瀬智也主演でリメイクがつくられました。
名家の娘ソヒ
伝統ある参判の家に生まれた女性が謀略により土地を奪われて故郷を追われ、復讐のために富と名声を得て故郷に戻るまでの波乱の半生を描いた時代劇。キム・ヒョンジュ主演。
シークレット・ガーデン
全アジアを夢中にさせたハ・ジウォン&ヒョンビンの大ヒットドラマ。下積みスタント女優と財閥御曹司の魂が魔法によって入れ替わり、奇跡の恋が生まれるファンタジーラブロマンス。
太陽を抱く月
運命に導かれて出会った朝鮮の若き王イ・フォンと巫女ヨヌの、切なくも美しい愛を描いた歴史ファンタジーラブストーリー。キム・スヒョン、ハン・ガインらに加え、ヨ・ジング、キム・ユジョンら子役の名演が絶賛された名作。
追跡者 チェイサー
愛娘をひき逃げされた刑事と、大統領選を間近に控えて事件の隠蔽を図る国会議員との戦いを描く社会派サスペンス。ソン・ヒョンジュ、キム・サンジュンらの名優が繰り広げる心理戦は迫力満点。
グッド・ドクター
サヴァン症候群の青年が幾多の困難を乗り越えて小児外科医をめざす奮闘の日々を描いたメディカルヒューマンドラマです。チュウォンが難しい役どころを見事に演じて絶賛されました。
風の便りに聞きましたけど!?
超セレブ一家と庶民層の家族の間に突如起きた”できちゃった婚”騒動を中心とした格差ラブコメディ。名門の富豪一族のプライドや価値観が庶民一家によって崩されていく様を軽快に描いて好評を得ました。
シグナル
壊れた無線機が現在と過去を繋ぎ、組織に馴染まない若きプロファイラーと15年前に失踪したはずの刑事が時間軸を越えて共同捜査をするファンタジー・クライムサスペンス。日本でもリメイクされました。
ディア・マイ・フレンズ
韓国を代表するベテラン女優たちが繰り広げるシニア世代の青春ストーリー。世代間や男女の価値観の差、シニアを巡る難しい部分に焦点を当てつつも、笑って泣けるヒューマンドラマに仕上げた秀作。
Mother(マザー~無償の愛~)
幼少期のトラウマを抱える小学校の女教師が、虐待されている少女を守るために二人で逃亡することから始まるヒューマンドラマ。「母親とは」「家族とは」という問いに対する一つの答えを投げかける名作。日本の同名ドラマのリメイクですが、韓国版のオリジナル展開になっています。
マイ・ディア・ミスター 〜私のおじさん〜
壮絶な過去を持つ女性と職場の年配上司とその兄弟、職場の同僚らが織りなす人間模様を繊細なタッチで描いたヒューマンドラマ。感情を抑え、笑顔を封印したIU(アイユー)の演技が光ります。
ストーブリーグ
万年最下位のプロ野球チームを立て直すために雇われた、野球を知らない素人GMの奮闘を描いたヒューマンドラマ。型破りの改革によって結果を残していく主人公をナムグン・ミンが好演。野球ドラマのふりをした仕事ドラマとして高い評価を受けました。
怪物
平和な村の派出所に勤務する不気味な警官と、ある目的を持って異動してきたエリート警察官が激しく対立しながら殺人事件の共同捜査をするクライムサスペンス。不思議な運命と絆を持つ”怪物”のような2人の男を、シン・ハギュンとヨ・ジングが熱演しています。
まとめ
以上、韓国の百想芸術大賞に輝いた名作ドラマの紹介でした。受賞の有無は、何を観ようか迷ったときの判断基準になるのではないでしょうか。
どの作品もそれぞれに、制作された年代の背景や人々の心を反映しています。過去の受賞作品から順番に見てみるのも面白いかもしれませんね。