もう一度観たくなる『マイティ・ソー』シリーズの解説・疑問・深読み・イースターエッグなど

北欧神話の世界観が盛り込まれた『ソー』のシリーズは、マーベルコミックの中でも異彩を放つヒーローものとして人気です。実写映画化されたことで世界的に有名になったソー。日本でも一気に知名度が上がり、『アベンジャーズ』シリーズの中でも好感度ナンバーワンのヒーローとなりました。

本記事では『マイティ・ソー』シリーズの解説と、疑問点の掘り下げ、深読み、イースターエッグ、裏設定などを通して、マーベル作品をより楽しむための情報を紹介していきます。

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アスガルドにある宝物

アスガルドの宝物庫に保管されているアイテムは、どれもマーベル作品には欠かせないものばかり。インフィニティ・ガントレット(右手用)、生命と時間の石板、古の冬の小箱、デストロイヤー、グングニル、アガモットの眼、永久なる炎、ウォーロックの眼、テッセラクト(四次元キューブ)など。『マイティ・ソー/バトルロイヤル(原題:ラグナロク)』(2017)でスルトの王冠が加わりました。

ただし『バトルロイヤル』において、ヘラによってインフィニティ・ガントレットが模造品であることが暴露されました。

ソーに登場する9つの世界

ユグドラシル(世界樹)でつながる9つの世界が登場します。ソー達はビフレスト(虹の架け橋)を利用して9つの世界を行き来しています。

①アスガルド・・・9つの世界の頂点にある”神々の国”。
②ミッドガルド・・・地球(地上界)。
③ヨトゥンヘイム・・・フロストジャイアントたちの住む氷の世界。ロキの生まれ故郷。
④ヴァナヘイム・・・ヴァン神族の世界。ウォーリアーズ・スリーの一人であるホーガンの故郷。
⑤アールヴヘイム・・・ライトエルフの住む世界。
⑥スヴァルトアールヴヘイム・・・ラウフェイをはじめダークエルフたちの住む世界。
⑦ニヴルヘイム・・・死者の世界。ソーの姉であるヘラが幽閉されていた場所。
⑧ムスペルヘイム・・・炎の魔物スルトが住む世界。
⑨ニダヴェリア・・・エイトリなどのドワーフたちが住む世界。武器工房。

なお、最新コミックでは10番目の世界である”ヘブン”の存在が明らかに。ヘブンはヴァルキリー達の住む世界とされています。

北欧神話の拠点・トンスベルグが登場

ソーの物語だけでなく『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』の冒頭や『アベンジャース/エンドゲーム』でもニューアスガルドとして登場するなど、重要拠点となっているノルウェーのトンスベルグ。『ソー』の1作目で初登場します。

太古の昔にラウフェイがトンスベルグに攻め入った際、それを撃退した若きオーディンは一時的にテッセラクト(四次元キューブ)をこの地の聖堂に保管しました。このテッセラクトは後に『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』で登場するヨハン・シュミット(レッドスカル)によって奪われています。

実在するトンスベルグはヴァイキングが築いたノルウエー最古の都市であり、北欧神話の拠点として知られています。

ホークアイが『ソー』で初登場

アベンジャーズの主要メンバーとして活躍することとなるクリント・バートン(ホークアイ)がスクリーンデビューしたのが『マイティ・ソー』の第一作。

しかし劇中でコールソンから「バートン」と名前を呼ばれているにもかかわらず、エンドクレジットに名前が載らない”ノンクレジット”扱い。ちょっとしか映らないので見落とした人も多いかもしれません。

ドナルド・ブレイクはソーの仮の名前

ジェーン・フォスターの元カレの名前として劇中に登場する”ドナルド・ブレイク”。原作コミックではソーが地球上で暮らしている時の名前です。

原作のドナルド・ブレイクは片足の不自由な医師。ノルウエーでの休暇中にエイリアンに襲われた際にソーとして目覚めるという設定。普段使っている杖を地面にたたきつけてソーに変身し、杖はムジョルニアに変わります。

ストーンだけど石じゃないエーテル

『ソー/ダークワールド』に登場するエーテルは、全てのものを暗黒物質に変える力を持つもの。以降のマーベル作品にもインフィニティ・ストーンの一つとして登場しますが、ジェーンの身体に寄生したり、空気中に拡散したりするなど、石の姿にとどまらない神秘の物質のようです。

後に『アベンジャーズ/エンドゲーム』でも、ソーがメンバー達に「誰かが石だと言っていたけど、そうじゃない。もっと忌々しいものだ」と要領を得ない説明をしています。

ジェーンたちはどうなった?

『ソー』の1・2作で活躍したジェーン・フォスターやエリック・セルヴィグら地球のメンバーは、『ソー/バトルロイヤル』には全く登場しません。『バトルロイヤル』の中でジェーンにフられたような説明があるだけで、ほとんどスルーです。

あれだけ見せ場の多かった地球メンバーはその後どうなったのでしょうか。

原作コミックでジェーンはソーの力を一時的に借りて女神になったり、ソーと別れてから結婚して一児をもうけたり、離婚してソーとよりを戻したりしています。しかも2015年には、人間の時は乳がんを患っており、ソーの力を借りて悪と戦う時だけ雷の女神となる複雑なジェーン版”ソー”のストーリーが登場しています。

ジェーンはシリーズ第4作『ソー/ラブ&サンダー』で再登場し、しかも女性版”ソー”になるという構想が決まっているとか。どのようなストーリー展開になるのかはまだ明らかになっていません。

ウォリアーズ・スリーが瞬殺。シフは?

ソーにとってかけがえのない仲間であるヴォルスタッグ、ファンドラル、ホーガンは『バトルロイヤル』でヘラの手にかかり、あえなく瞬殺されました。しかしソーの幼馴染みで、前作までは共に戦っていたシフは『バトルロイヤル』には登場しませんでした。

TVドラマ『エージェントオブシールド』にはゲストとして登場しているシフですが、消息は全くの不明。2021年公開予定の『マイティ・ソー/ラブ&サンダー』で復活するかどうかはまだ明らかになっていません。

なお、ウォリアーズの一人であるファンドラルは、1作目と2・3作目で演じる俳優が変わっています。また、シフを演じているジェイミー・アレクサンダーのスケジュールが合わなかったため。シフは役者のスケジュールのおかげで死を免れたのかもしれません。

ヴァルキリーのその後は?

『バトルロイヤル』で初登場したヴァルキリーは、太古の昔にヘラと死闘を繰り広げた天上界の女戦士たちの唯一の生き残りです。『アベンジャーズ/エンドゲーム』の最終戦ではペガサスに乗って登場しました。

ヴァルキリーは『バトルロイヤル』後にサノスの手を逃れ、ソーの代わりにアスガルドの民を率いて、地球にニューアスガルドをつくりました。『エンドゲーム』のラストでソーからニューアスガルドの王に任命されています。

『マイティ・ソー/ラブ&サンダー』に再登場する予定のヴァルキリー。ジェームズ・ガン監督のコメントによると、ヴァルキリーはセクシャルマイノリティとして描かれることが決まっているそうです。『ラブ&サンダー』ではヴァルキリー王の相手となる女王が登場するかもしれません。

豪華俳優陣がカメオ出演

『バトルロイヤル』にて、オーディンに化けたロキが喜んで鑑賞していた寸劇がありますが、その登場人物たちを演じているキャストが豪華だと話題に。

ソー役はクリス・ヘムズワースの実兄のルーク・ヘムズワース、ロキ役はマット・デイモン、オーディン役はサム・ニール。一見しただけではなかなか気づかないところで贅沢な配役が行われています。

ちなみにサム・ニールと、グランドマスターを演じるジェフ・ゴールドブラムが同じ映画に出演するのは『ジュラシック・パーク』以来だとか。

グランドマスターの側近はワイティティ映画の常連

グランドマスターのアシスタントの女性・トパーズをコミカルに演じるレイチェル・ハウスは。ワイティティ作品の常連だとか。ワイティティ監督が脚本に関わったディズニー映画『モアナと伝説の海』(2016)のタラおばあちゃんの声を演じたりもしています。

『バトルロイヤル』のわかりにくい元ネタ

『ソー/バトルロイヤル』では、コメディ出身のタイカ・ワイティティ監督らしいジョークが満載で、本来ならば笑いどころだらけなのですが、日本人にはわかりにくい元ネタが多いのが難点です。

ロキがオーディンを入居させた老人ホームの名称「シェイディ・エーカーズ・ケア・ハウス」は、アメリカの人気アニメ『サウスパーク』でおじいちゃんのマーヴィンが入居している老人ホームの名をもじっています。

惑星サカールでヴァルキリーに捕まったソーが、グランドマスターと対面するまでの間に体験させられるアトラクションのネタ元は、アメリカではティム・バートン版よりも人気が高い旧作『夢のチョコレート工場』(1971)。ジーン・ワイルダー扮するウイリー・ウォンカが歌う曲「ピュア・イマジネーション」と、劇中に登場するゴンドラのアトラクションをパロったものです。

サカールから脱出しようとするソーが、ハルクの乗ってきたクインジェットを音声認識で再起動させようとするシーン。トニー・スタークが設定したソー用の音声パスワードが「PointBrake (ポイントブレイク)」なのですが、これは1991年公開のサーフィン&サスペンス映画『Point Brake』がネタ元。この映画に登場するパトリック・スウェイジ扮するサーファーにソーが似ているため、『アベンジャーズ』(2012)でトニーがソーを「Point Brake」と呼んでいます。字幕では「サーファーくん」になっている上に『Point Brake』の邦題が『ハートブルー』だったことも重なり、日本では全く通用しないジョークにとなってしまいました。

ソーがサカールを脱出する際にチームに付けた名前「リベンジャーズ」もアメコミ界でしか通用しないジョークになっています。アメコミファンなら誰でも知っていることですが、”リベンジャーズ”と名が付くチームはどれも”ろくでなしチーム”。ヴィランの寄せ集めだったり、Dランクのヒーローチームだったり・・・。”リベンジャーズ”は長続きしないチームの代名詞。よりによってそれを選ぶソーのセンスの悪さが笑いどころというわけです。

その他にも小ネタが多くちりばめられていますが、いずれも日本では馴染みのないネタなのが残念ではあります。

ワイティティ監督が1人で4役

『ソー/バトルロイヤル』において、タイカ・ワイティティ監督は1人で次の4役をこなしていることが後に発覚し、そのマルチっぷりが話題になりました。

・炎の魔物スルトのモーションキャプチャー
・3頭のエイリアン”HAJO”の左の顔
・一部場面のハルクのモーションキャプチャー
・岩石エイリアン”コーグ”のモーションキャプチャー

監督はコメディアン出身で、『グリーン・ランタン』(2011)などの映画で俳優として出演した経験もあります。

まとめ

以上、『マイティ・ソー』シリーズの解説と、疑問点の掘り下げ、深読み情報、イースターエッグ等の紹介でした。

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は作品が増えるにつれ、それぞれの関連性がより複雑になってきています。世界観をすべて把握するためには、全作品を観ることはもちろんですが、キャラクターや出来事の関連性や時系列を追いながら何度も鑑賞し直すことが必要かもしれません。

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